Diary — August 2022

misora100
22 min readAug 21, 2022

GitHub Pagesで毎日更新している日記のまとめです。

2022/8/1 ここ数日、全般的に不調というか、適切な行動ができていないように思う。分別が大事、分別が大事、分別が大事……。本を目が滑らなくなってきた気がする。またPKD読もう。

2022/8/2 多少歩いても大丈夫な気がしてきた。咳はきちんと薬飲まないとまだ出る。『黄金虫変奏曲』に続き、アンドレイ・プラトーノフ、工藤順/石井優貴(訳)『チェヴェングール』作品者、2022年(原著1927–1929年)に着手。今年はまだ大物が2つもあります。ホセ・レサマ=リマ、旦敬介(訳)『パラディーソ』は国書刊行会から9月に韓松、立原透耶(訳)『紅色海洋』は新紀元社から年末ごろに、それぞれ刊行予定であるとのこと。後者のリンクどうやったら見つけられるんだろう、凄い。

2022/8/3 やっぱり本読めないかも……。

2022/8/4 やっぱり本読めないかも……。いやはや、こんなことが何千万とか何億とかの人々の身に起こるんだとしたら、long COVIDが人類の文明に与える影響、どれほどのものになるのだろうか。

2022/8/5 『文体の舵を取れ』合評会第2期第4回。ありがとうございました! だが、集中してアテンドできたとはいえず申し訳ないところです……。一部は明日に持ち越し。石川忠久(監修)『漢詩創作のための詩語集』(大修館書店、2022年)を購入。詩語集といっているが、漢籍感のある現代日本語ではあまり使われない漢語を探せるわけで、漢詩作家以外にも役立てられる読者は多そうだ。中国を舞台にした歴史小説や時代小説、中華風ファンタジーを書いたり、漢籍の教養が深かった日本史(あるいは朝鮮史等)上の知識層を描くときなど。ただし、この本から字面の良さだけでピックアップして語誌に無頓着になると、考証ミスを犯すことにもなるだろう。

2022/8/6 COVID-19罹患以来、初めてとなる顔剃り……だったのだが、理容師の方が咳き込んでいて不安になった。合評会の続き、ありがとうございました! 教訓:ギャグはコンセプトのぶれ・迷いが読者に伝わってしまう。

2022/8/7 ハンドアウト(HO)ありTRPGシナリオに対して、(しばしばシナリオ作者の意に沿わずに)おすすめHO診断というのが作られているのを見かける。これもポピュラー心理学(性格診断)とキャラクターメイキングとの接点だなと気づいた。

先日のプロセカオンリーイベントに出席できず、今後もいつできるかわからないことを踏まえ、同人誌『黙って帰る』が発行から半年経ったのを良い機会としていわゆるWeb再録というのをすることにした。出席できていたらさらに半年先とかにしたのだが……。「黙って帰る」「声の住むところ」の2作で、書き下ろしだった「人間原理」は対象外としました。8月1日にpixivの本文を同人誌版に差し替えたのに加え、今日GitHub Pagesのサイトでも公開。旧バージョンも変わらず公開は続けます。あと、サイトの各ページにdescriptionをつけたり、OGP関係の設定を行ったりした。

2022/8/8 6月に入って以降、もっとも気力が出た日だった。身体が重くない。他人の話が聞こえるし、流暢に発話できる。思考が途切れがちにならないってこんな感じだったわ。仕事に前向きに取り組めるって素晴らしい! 一昨日のメンタルクリニックで補中益気湯を処方されてから1日3回飲んでいるが、果たして関係あるのだろうか。あまり無理しないように早く休む。この調子が続いてほしい。

そういえば忘れないうちにメモなのだが、日本におけるキャラクター論の棚卸しにあたっては、そこで様相概念(可能性、必然性等)が果たした功罪について考える必要があるのだろうと思う。あちこちに降り積もった怒り・憎しみの一つは様相概念をめぐってのものだ。そして様相概念抜きで話ができないか考えてみるのもひとつの道かもしれない。とはいえ、様相概念という一つの要素のみ取り出して「〈可能性〉悪玉論」といったわかりやすいスローガンに陥ることも避けなければならないだろう。

2022/8/9 今日は調子ダメっぽかった。なんなんじゃ。さて健康診断の結果が来たが、昨年からほとんど変化なし。何かヤバいことが起きている風ではなかった。LDLコレストロール値が多少上がっているので、食事から脂質を減らしましょうね、くらいか。どっかで人間ドック受けようかしらねー。

2022/8/10 Webサイトのタイトルやdescriptionを見直す。

2022/8/11 小山虎『知られざるコンピューターの思想史:アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ』(PLANETS/第二次惑星開発委員会、2022年)が届いたので読んでいた。どういうエスニシティ的背景を持った人々がどこからアメリカに渡ってきて師弟・同僚等の関係を結んだか、みたいな記述が核心部分だと思われ、そこは勉強になる。

2022/8/12 読みさしだった、日本推理作家協会(編)『推理小説年鑑 ザ・ベストミステリーズ2022』(講談社、2022年)を読了。川瀬七緒「攻撃のSOS」、服飾+美術解剖学の知識で事件に挑む、面白い探偵! 必ずしも全肯定ではないが、シリーズ読もうっと。

ついでなので、現在発行されている「年刊の、傑作を精選したアンソロジー」を知ってる範囲でまとめとくか……。刊行時期は、編集団体名・タイトル・出版社がすべて現在と一致している範囲に限りました(たとえば『文藝年鑑』は編集団体名・出版社が変遷している時期まで含めると1929年刊行開始ですが、現在と同じ日本文藝家協会編、新潮社刊になったのは1949年からなのでそのように書いています)。先行シリーズはもっと遡れるものもありますが、遡るのはおおむね今世紀までにしました。

  • 日本文藝家協会(編)〈現代の小説 短篇ベストコレクション〉(小学館〈小学館文庫〉、2021年~)・・・先行シリーズ:日本文藝家協会(編)〈短篇ベストコレクション 現代の小説〉(徳間書店〈徳間文庫(『~2000』のみ単行本)〉、2000~2020年〉。純文学誌を除いた文芸誌から収録。
  • 日本文藝家協会(編)〈文学〉(講談社、1973年~)・・・純文学の文芸誌から収録。
  • 日本文藝家協会(編)〈時代小説 ザ・ベスト〉(集英社〈集英社文庫〉、2016年~)・・・先行シリーズ:日本文藝家協会(編)〈代表作時代小説〉(光風社出版、1989~2014年)。
  • 日本推理作家協会(編)〈ザ・ベストミステリーズ 推理小説年鑑〉(講談社、1998年~)
  • 本格ミステリ作家クラブ(編)〈本格王〉(講談社〈講談社文庫〉、2019年~)・・・先行シリーズ:本格ミステリ作家クラブ(編)〈ベスト本格ミステリ〉(講談社〈講談社ノベルス〉、2011年~2018年)、本格ミステリ作家クラブ(編)〈本格ミステリ〉(講談社〈講談社ノベルス〉、2001年~2010年)。
  • 大森望(編)〈ベストSF〉(竹書房〈竹書房文庫〉、2020年~)・・・先行シリーズ:大森望/日下三蔵(編)〈年刊日本SF傑作選〉(東京創元社〈創元SF文庫〉、2008~2019年)。

アンソロジーではないが、日本文藝家協会(編)『文藝年鑑』(1949年~、新潮社)はジャンルを超えた基礎資料。個人で買うようなものではないと思うが。(追記:2022/10/26)とはいえ数年前の安くなったものでもいいから一冊持っておけば出版文化の概観には役立つだろう。

2022/8/13 渡辺祐真/スケザネ『物語のカギ:「読む」が10倍楽しくなる38のヒント』(笠間書院、2022年)をのんびり読んでいた。

2022/8/14 須藤靖(編)『20世紀科学論文集 現代宇宙論の誕生』(岩波書店〈岩波文庫〉、2022年)の各論文解説を読んだ。叢書〈現代の天文学〉『宇宙論1』の新しい版が9年ぶりに出ていたことに気づく。佐藤勝彦/二間瀬敏史『宇宙論1:宇宙のはじまり』第2版補訂版〈現代の天文学2〉(日本評論社、2021年)。こういうのアンテナ立てとかないとダメだなー。

村田沙耶香『信仰』(文藝春秋、2022年)読了。2018~2021年に発表された短編8作品を収録。表題作について、Granta掲載の英語訳 “Faith”(Ginny Tapley Takemori(訳)、2020年) と読み比べてみた。この週末はなんだか1日が長く感じた。「1日1ターンしか行動できない」というよくある話があるが、ターン数が回復してきた! ということなのか!

セラーズ読書会からは体調が思わしくないため離れることといたしました。申し訳ありません。

2022/8/15 荒巻義雄『神聖代』(彩流社〈定本 荒巻義雄メタSF全集 第6巻〉、2015年(初版1978年))読了。終始きわめて苦痛であった。反面教師としたい。

2022/8/16 仕事ずくめでした。

2022/8/17 TRPGシナリオ・ぱぱびっぷ(監修・シナリオ)『謎解きロールプレイングゲーム 後悔の迷宮』A組・B組(ぱぱびっぷTRPG、2021年)をプレイ。ありがとうございました! しかし、RPといい謎解きといい発話に苦しむ。人と話さないせいでますます話せなくなっていく、話さないとヤバい、そう思った。

2022/8/18 Paul de Man, The Post-Romantic Predicament. Edinburgh: Edinburgh University Press, 2012が届いたのでマーティン・マックィランによる解説を読むなど。カリフォルニア大学アーヴァイン校にあるド・マンのアーカイヴから、博士論文の未刊行部分および草稿の一部を収める。これでド・マンの単著として出版された本(10冊ある)が手元に揃った。

2022/8/19 『文体の舵を取れ』合評会第2期第5回。ありがとうございました! 一定の手応えが得られ喜びを隠せませんでしたが今後も緊張感を持って参加していきたいと思います。

ところで先日、Mediumで最初に書いた記事(2021年6月5日)に追記をした。DiscordとかTwitterのサークル機能とかよく使われる環境になると、「こいつ(=私)はあいつと裏で関係・結託しているのではないか」とか、「陰口叩いてるんじゃないか」みたいな疑心暗鬼が強まると思われる。裏で陰口だの結託だのが行われるリスクは昔からあったわけだが、そうしたリスクに人々の注意が強く惹きつけられていくだろう、というわけだ。そこで「書き物にかんする孤立主義」とでもいえるような規律を今のうちに表明しておくことで、そうした疑心暗鬼から生じるトラブルを避けたい。それにしても、「髙橋実理」としての活動なんてまだ影も形もないのに、我ながらようゆうわという感じだ。だが事前に書いておく必要はある。

2022/8/20 上記記事にもう少し追記。

夢日記:猟友会会員№3が鷹を撃つ銃声が、№4のテレビ視聴を邪魔した。№4が怒って銃を森に向けて撃つと、偶然にもくだんの鷹を直撃した(猟友会をなんだと思っているのか >私)。№4は№3からポイントを1点進呈された。またこのおめでたい出来事ゆえに、猟友会の全員がポイントを1点得ることとなった。

2022/8/21 ほぼ起き上がれず。

2022/8/22 プロセカのイベントストーリー「そしていま、リボンを結んで」さすがにがっくりきました。ニーゴ結成の根幹が……。こんなに基本的なところを……。

21:15にお知らせがリリース。引用:「自己紹介を制作したリリース数ヶ月前の当時、プロモーションタイミングの関係上、メインストーリーの執筆が完全には完了していない曖昧な設定が残った状態だったにも関わらず、先行して制作を行ってしまった」「そういったプロモーション用に制作した未完成のコンテンツをリリース後、2年弱も正規の内容としてゲーム内外に公開し続けていたことが何よりの誤りであり、大きな問題であると考えております」とのこと。私が思い描いてきたニーゴとはなんだったのか……ショッキング。修正の方針にも無理しかない気がする。誤っていた、ではなくずっと公開していたのだしその前提で作ってきたものを正とすべきでしょう。まあしかしプロセカに関しては私、幻滅・失望して「魔法が解ける」段階はずっと前に通過している。そのうえで何があっても5年は付き合うよ、という構え。だがそれでもさすがに今回は動揺しました。……まあ、頑張ってね~。

大長編シリーズで(まだ2年弱のプロセカは大長編とはいえないので、この話をするレベルに達していないが)整合性のある一貫したストーリーを展開する、というのはおそらく人類にとって未解決の、本質的に難しい課題である。今までに何が言われたか、は累積的に増えていくので、その整理・共有された情報と今から書きたい情報とが整合しているかの判断は難しくなっていく一方だ。情報の整合性、も含むがそれより広いインテグリティ(=パーソナリティの堅牢さ)こそがキャラクターに見出される「尊厳」の源であり、インテグリティの毀損は「尊厳」を減らす。尊厳は長期的には逓増しない。この尊厳の減少、愛着を持っていたものの喪失、幻滅を伴う落差こそが、一貫したストーリーとともにキャラクターの堅牢なパーソナリティを提示する(堅牢であるがゆえに「変化」まで表現できる)コンテンツを、そうした志をもたないいわゆる「キャラクターコンテンツ」へと移行させていく。一種の「運命」とも言える、この悲しい成り行き……。ともあれ整合性のある長い話を作るのは、個人制作でも集団制作でも難しい。AIも、今のところ広い範囲で整合性のあることを言うのは苦手としているように思う。情報の整理・共有・照合の問題である以上、情報技術によってブレイクスルーが起きる可能性はあると思う。ところで、人間の人生のナラティブは時にもっと脆弱なものであるのに、それで人は尊厳を失ったりしないように思われる。どうしてなのだろうか?

あと、部屋の照明を交換した。

(追記)「も含むがそれより広い」、と上で書いたことについて補足したい。思うにキャラクターコンテンツというのは作品ごとに、「パーソナリティとは一般にいかなるものか」という「人格のモデル」を持っているように思う。たとえば「生来の気質」のうえに「バックグラウンド」が乗り、そのうえに「偶発的な好き嫌い」が乗り……といった層構造でキャラクターを把握している作品があったら、この層構造がその作品の「人格のモデル」である。個々の情報の基盤となるようなそうした「モデル」について認識をすり合わせることは、ひょっとすると個々の情報を伝達するより難しいが、作品のカラーを維持するためには決定的であるように思われる。そこまで含めてのインテグリティである。

そして読者にとって──一般に制作者もまた読者である、とりわけ集団制作においては──キャラクターの「理解」とは、その作品が採用しているモデルの理解をも含む。メッセージとともにいわば「メタメッセージ」を掴み、理解する必要があるのだ。その前提として「人格のモデル」は一つではない、という認識をしなければならない。さまざまなTRPGのルールブックを読んだり、さまざまなビデオゲームでキャラクターメイキングのダイアログを体験してみたり、創作指南本のキャラクターメイキングに関する記述を読んだりしてみると、どれ一つとして同じものはないと思う。(それで飛躍するが、こうした「人格のモデル」自体を自然言語処理技術を使って設計することはできないか、という与太を考えることがある。そこでは私らの多くが想像するような「人格のモデル」とはかけ離れたようなものを作ることができるのではないか。モデルからして見たことのない人格、それに伴う、別様な「理解」概念が生み出せるのではないか。パラメータ名が「素早さ」や「知性」ではなく、「青さ」や「北さ」であるような基本パラメータ表を考えてみてほしい。いやそれが「表」ですらなかったらどうか。しかしこれ以上具体的なアイディアはなく、現時点では「別様な」という神秘化するだけの表現にとどまる。)

(追記終わり)

2022/8/23 そういえばメモだが、私もしてしまったことあるから自戒なのだが、攻撃したいという意図がないのであれば、議論したいときに高低や強弱で大きな抑揚をつけたり、いきなり話す速さを変えたり、何文も切れ目なしに喋ったり、「すごく」等の強意の副詞や、「やっぱり」「どう考えても」等の判断を先取り・強要する語句を使ったりしないほうがよい(特に何かあったわけではないです)。それら無しで話せないかどうか検討してみたほうがよい。

アニメ映画『ONE PIECE FILM RED』(監督:谷口悟朗、制作:東映アニメーション、2022年)見ました凄い。もちろんライブ凄いし、大量の登場人物が出てくるのにウタ含め「格」描写が一切破綻していなくて凄い。

2022/8/24 急に思い出したのだが、小学校のときに校舎の脇の畑で野菜を育て、収穫して食べるという学習をした。トマトとか茄子とか。グループでサラダを作って食べたのだが、採ってまもなくなので冷蔵などもしておらず生温かったことも手伝い、絶望的においしくなかったのを覚えている。が、あれは「食べ物がおいしいのは生産者の努力の結晶であって全然当たり前ではない」ということを教えてくれていたのかもしれない、と今となっては思う。身体に触れる布の心地よさ、部屋の暖かさ、何事も当たり前ではない。

川瀬七緒『クローゼットファイル 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(講談社、2022年)読了。シリーズ第2作で短編集。

それから、よう知らんコンテンツの話してごめんなさい。製作トップの発言:「急に大切なものを失ってしまったり」云々、よう知らんコンテンツだけど稀に見る物凄い一文であることはわかる。凄まじい倫理観。ジャンルに10年単位で続くトラウマを刻むだろう。私もSF関係でそういう凄い災いをもたらした(とても簡潔な)一文知ってる。「追悼すること」に関して見識ある発言ができるかは、発言する者として重要になりそうだ。いやーpublishするというのは恐ろしいことですね、改めて。(追記:私もおのれが作品やキャラクター描写に幻滅したあとの心の動きについて「喪の作業」といったことを言っているので、危ういところはある。どういう立場から言うか(当の製作側がそういうこと言う?)というのも一つの要素としてはあるが、より核心的なのは、実在する本当につらい「悲嘆」の感情を抽象化し、いわば議論の「具」として扱うことの倫理性であり、その点では私にも同様の問題が発生するのだ。)

2022/8/25 仕事ずくめでした。

2022/8/26 石沢麻依『月の三相』(講談社、2022年)読了。

2022/8/27 Mediumに8/19に書いた「書き物に関する孤立主義」について、サイトにも行動規範として示した。

レイトショーで映画『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(監督:白石晃士、2022年)を鑑賞しに行った。映画自体は本当にたいへん楽しく見ていたのだが、30~40分くらいで身体に変調が現れ、トイレに駆け込んで嘔吐してしまった。結果的に途中で退席。リベンジするとしたら来週末以降だが、できるかどうか……。①今日はすでにヘッドホンやイヤホンをつけて長時間PC画面を見ており眼や首・肩が疲れていた②鑑賞直前に冷たいもの(パフェ)を食べていた③冷房の利いた館内で半袖シャツ④POV映画(酔いを誘発します。おそらく主因)⑤ホラー映画、といったさまざまな要因が組み合わさって、総合的判断でげろげろとなったのだと思う。食事中に私のサイトを見るな。

2022/8/28 Nintendo Switch用ゲーム『スプラトゥーン3』(任天堂、2022年)の前夜祭、ちょっとだけ参加。しかし通信に問題がある。解決しなければ。

また、翻訳ゼミに参加しました。ありがとうございました! しかし訳文で登場人物に不適切なジェンダー表現を使ってしまっていました。反省いたします。

2022/8/29 周囲で評判の(ホラーです注意)ドラマ「フィルムインフェルノ」『フェイクドキュメンタリー「Q」』Q EX(監督:皆口大地/寺内康太郎、YouTube、2022年8月28日)を視聴した。閉所迷路から出られなくなるシチュエーションで、オールタイム上位レベルと言う人もいるのだが、個人的にほとんどまったく恐怖を感じることができなかったのは私の個人史的な事情があるのだと思う。かつてテレビ番組『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)の2003年「秋の特別編」(2003年9月18日)で放映されたエビソード「迷路」がまさに閉所迷路から出られなくなるものだった。友人宅でこの録画を視聴した当時11歳の私は2日ほど高熱を出して寝込んだうえにその後5年以上トラウマ化したのだ。そうした経験を通過しているため慣れていた、いや麻痺していたのだと思う。「フィルムインフェルノ」は、2人が「出られないこと」自体では錯乱までは至らないことも恐怖を低減させていた。ぎょっとした箇所は、映像の乱れでやや長く映像が静止するところ(他の映画でもときどきあるよね怖い)と、引かれたロープが追いかけた先で撓んでいたところ。こういう地獄もあるんだね。

『ユリイカ』9月号〈特集=Jホラーの現在:伝播する映画の恐怖〉(青土社、2022年)を購入。山本浩貴(いぬのせなか座)「死の投影者[projector]による国家と死:〈主観性〉による劇空間ならびに〈信〉の故障をめぐる実験場としてのホラーについて」を一読、難しいが読解可能な感じはする。「無断と土」との連続性は明らかで、ほぼ同じ記述がされる箇所もある。注46に新刊予告あり。

2022/8/30 常々言っていたしブログに前に書いたかもしれないが、「キャラクターの尊厳」の問題は、おそらく「著作物」と「人格」の交点としての(法的なそれとはまったくかけ離れた、レトリック上の民間概念でしかない)”著作者人格権”の問題として語られていくのではないかと思っている。作者が前に出てキャラクターの尊厳を守るわけで、「文は人なり」 le style est l’homme même の新型である。【注意:ここで話題がずれるぞ】だからパスティーシュ(styleの模倣)の倫理性というものが問題になるのだ。前にブログにパスティーシュのさまざまなスケールについて書いたと思うが、数十文といったスケールで書かれる「思考」を「似せる」というのはかなり侵害的なことであるように思われる。似ているというのは違うということだからだ。もっとも大きなコンセプトの齟齬、およびもっとも細かいところでの絶対やらない表現こそが、もっともやられた側をムカつかせるものだ。

京都ウトロ地区放火事件の京都地裁判決(リンクは後で差し替えるかも)。「主として、在日韓国・朝鮮人という特定の出自を持つ人々に対する偏見や嫌悪感等に基づく、誠に独善的かつ身勝手なものであって、およそ酌むべき点はない」と厳しく非難している。ずばり「差別」の文言がなかったことをどう評価するか。私は不満だな。文言って大切だ。

歯科にかかる。Covid-19感染により先延ばされていた、突然大きく欠けてしまった歯を塞ぐ治療が完了。

2022/8/31 大森望(編)『ベストSF2022』(竹書房〈竹書房文庫〉、2022年)を購入。ジャンル小説強めの近隣書店にもなく、大型店へと足を延ばした。竹書房文庫が、10年後20年後には小さめの書店でも当たり前に置かれているレーベルに成長していてほしい。「無断と土」記事のメンテをします。あわせてサラ・ピンスカー、市田泉(訳)『いずれすべては海の中に』(竹書房〈竹書房文庫〉、2022年)も購入。

ピクシブ社の声明を読んだ。あきません。策定された「ハラスメント撲滅宣言」「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」の内容は、厚生労働省のハラスメント防止対策資料と見比べると、求職者やフリーランスへの配慮について書かれていない(これは指摘するツイートを見た)ところを除くとだいたい押さえているように思える。しかしそこから出てくるペラ一の「取り組み」がこれとは一体……。宣言には盛り込まれている「処分の厳格化」が項目としてピックアップされないのはおかしいし、厚労省資料で言うところの「被害者に対する配慮のための措置」(発端の事件で問題だったポイント)に関する項目もない。逆に「行為者個別研修制度」というのが書いてある(もちろん啓発は必要だが、これが先に出てくるのか)。そもそもだが元になった事件は、一般的なハラスメント事案とはレベルが異なる悪質な性犯罪なのであって、その件についてどう対処したか一貫して言及されない。後になって何があったかわからなくなるだろう。

繰り返し思うことだが、「独占的な総本山意識」は腐敗を招く。非専門誌への拡散を果たす前のかつての百合ジャンルでもそうだったし、SFジャンルでもそのようになった(とくに対外的けじめもなく樋口氏との仕事を再開するようだ。『S-Fマガジン』2022年2月号の声明見たときは不十分なものの様子見ようかと思ったのだが、このツイート見てマジダメだと思った)し、同人でもそうなのだろう。総本山意識、地上から消え去ったほうがいいなー。私も気をつけよ。

結論、BOOTHからも撤退しようと思う。9月末にBOOTHショップを閉じます。それまでに「ピクスペ」ことpictSPACEサービスを使う方向でご案内します。■

--

--

misora100

Full-time yuri aficionado & language enthusiast(でありたい). 1992, he/him. JP/EN. https://misora100.github.io/