Diary — September 2022

misora100
20 min readSep 9, 2022

GitHub Pagesで毎日更新している日記のまとめです。

2022/9/1 関東大震災から99年となる。虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典に、小池百合子都知事からの追悼文は今年もなかった。災害による死亡とは異なる虐殺の犠牲に対して公的な追悼が行われ続けなければならない。早く復活してほしい。改めてだが、2021年10月以降行っているレイシズムツイートを1日10件、2031年までの10年間で30000件を目標に報告する日課は続けていく。報告すると結構ロックされ、手応えを感じる。これを読んでいる方もやってみるといいと思う。差別ツイートするとそれなりにロックされるな、という意識が浸透することを望む。

こうしたことをするのに別に理由など必要ないが私の場合は、差別ジョークを発端として起こった個人を標的とするなりすまし事件(2021年2月~2022年2月)を非難することに伴う責任を感じるからだ。個人を標的とするなりすましは何らかの名前で表現する者にとって普遍的な悪であり、異論の余地は一切ないが、本件の社会的文脈を考えればそれを非難することには構造的なレイシズムに加担する側面がある。だからこうしたことは最低限の義務だと信じている。当然ながら、本当はツイートの報告などではまったく足りない。ヘイトクライムは実際起こっているのだ。とにかく10年間、より効果的なやり方を考えながら続ける。こうした現在の私の態度も、世の中の変化とともに絶えず見直さなければならないだろう。だから毎年9月1日にはこうして振り返り文を書く。

ゲームDisco Elysium — The Final Cut (ZA/UM, 2021)を購入。Nintendo Switch版が出て評判となっていた。私はSteam版でやります。

それからMaryanne Cline Horowitz (ed.), New Dictionary of the History of Ideas. 6 Volumes. New York: Charles Scribners Sons, 2004の全巻セットの古書が破格値で出ていたので即購入した。日本語訳はスクリブナー思想史大事典翻訳編集委員会 (訳)、野家啓一(翻訳編集委員長)『スクリブナー思想史大事典』全10巻(丸善出版、2016年)。日本語訳って普及版(2020年)で24万円+消費税10%だぞ! 今回の原著はその10分の1くらいの値で買えた。

思想史についてなにか調べたいときは初手これ、という基本レファレンスである。とくに西洋思想史である場合は先行するPhilip Wiener (ed.), Dictionary of the History of Ideas. 4 Volumes. New York: Charles Scribners Sons, 1973と一緒に引こう。まったくの別物なので。索引を使ってどの記事が必要なのか掴むのだ。先行版は、結構前からだが2022年9月現在、ヴァージニア大学図書館のサイトでオープンアクセスとなっている。University of Virginia Libraryのページで”Dictionary of the History of Ideas”と検索すると出てきます。その日本語訳はフィリップ・P. ウィーナー(編)『西洋思想大事典』全4巻+別巻(平凡社、1990年)で、2022年9月現在揃いの古書が3万円台からある(後から振り返ったときのための記録)。学生時代は『西洋思想大事典』を大学図書館でコピーしまくり読みまくりだったものだ……。

今月はちくま学芸文庫創刊30周年記念復刊フェアというのがあり、素晴らしいラインナップとなっている。『ミメーシス』『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』『翻訳仏文法』どれも西洋文学のひとには必読である(特に前二者)のに古書価高騰がつらかった。というか30周年おめでとうございます! 本当に意義ある仕事をされていると思います。

それに今月はEric R. Kandelほか、宮下保司(日本語版監修)『カンデル神経科学』第2版(メディカルサイエンスインターナショナル、2022年)! 凄く楽しみです。

大森望(編)『ベストSF2022』(竹書房〈竹書房文庫〉、2022年)、サラ・ピンスカー、市田泉(訳)『いずれすべては海の中に』(竹書房〈竹書房文庫〉、2022年)読了。

2022/9/2 8月下旬からいろいろ刺々しかった。刺々しくなるのは本当に必要だと思ったとき、年数回程度にとどめたいと思います。読んでくださる方に不安を与えるし、ネガティブ言及で耳目を集めることほど有害なことはない。次はどんなネガティブな発言をするかな、などと期待する読者がついてしまうこと、敵を作って「ネットウォッチ」されること、そういうことはなるべく少ないに越したことはない。

さて、『文体の舵を取れ』合評会第2期第6回。ありがとうございました! 後半戦。時制やPOVが主題となり難易度が上がる後半戦、学べることはなんでも学んでいきたいと思います。

2022/9/3 通院。窪美澄『夜に星を放つ』文藝春秋、2022年読了。

映画『オカルトの森へようこそ THE MOVIE』(監督:白石晃士、2022年)をニコニコ生放送の配信で鑑賞。面白かった! 小さな画面にしたけれどそれでも画面酔いして途中休憩・目をそらしながらの鑑賞になったので、映画自体の酔い誘発力が高すぎるんだと思います。見る方は注意。最終盤とてもいいシーンがありここだけでも見る価値ありました。

2022/9/4 TRPGシナリオ・文町『ふうたといっしょ。』(らふそく通信、2022年)のセッションにPLとして参加。ありがとうございました!

2022/9/5 いま部屋に1500~2000冊の物理書籍があり、多くはダンボール箱詰めしているのだが、どこに何があるか把握できていない上、居住環境が厳しくなってきている。そこで書籍の預かりサービス「ブックオーシャン」を利用しようと決断。大量のダンボール箱を分解した。

2022/9/6 高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』講談社、2022年読了。

2022/9/7 アプリゲーム/Nintendo Switch用ゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(Craft Egg、2017年~)にかんする記事シリーズの第1回を投稿した。見切り発車せんと一生始まらん。コメント・ご感想・お叱り等、どんな手段でも構いませんのでいただけますと幸いです。やがて始まる(来年くらい)もうひとつの記事シリーズ「パスティーシュのすすめ」とともに、〈大きな本1〉の準備として書くシリーズです。

2022/9/8 上記記事を大きく論旨は変わっていないが若干修正。本当は後から何も言わずに直すのは好ましくない。publishしてから粗が見えてくるのどうにかしないといけない。

2022/9/9 さらに文言レベルでの修正をしたりリンクを入れたり……。許してください。仕事ずくめでした。Nintendo Switch用ゲーム『スプラトゥーン3』(任天堂、2022年)を購入。発売日に購入だけはできたよ! 土日に遊ぼう。みんなはtypoしまくったり吐き気がしたり嚥下のやり方がわからなくなったりするまで仕事しちゃダメだぞ。

2022/9/10 ガルパ記事シリーズの目次を作りました。「理論的問題」が多いですが、大規模なアプリゲームの作品記述をするうえで検討すべき問題がいろいろとやり残されているように思えるのでこのようにしています。今後の勉強により章立ては変わると思います。優れたファンの人々がわかっていることを明確に言語化していきたいというのがモチベーションの半分くらいを占めます。

9月8日にイギリス・ウィンザー朝のエリザベス2世女王が死去。チャールズ3世が即位。ロンドン上空に虹がかかって話題とかいう報道、2019年の今上天皇の即位礼正殿の儀のときも同じような話題あったなー。神話的感性が生きている。虹、グローバルに通用する穏やかな天変。それにしても、9月入ってからまた何段階も一気に、日本語Twitterのトレンドが荒廃してませんか? 9月7日には完全レイシズムタグが入ってたし……。

さて9月8日、ピクシブ社のセクシュアルハラスメント訴訟について原告代理人から声明が出されました。これを読んで対応を再考しました。私がもっとも問題視していたのは、もともとの事件に対してピクシブ社がどう対応していくか姿勢が見えないことだったので、そこに進展がみられたならBOOTHを維持してもいいかもしれないと思いました。

加害者の上司に対する明確な処分等がない限りは使いたくない、という方もいらっしゃると思うので、BOOTHは維持しつつpictSPACE(ピクスペ)「も」開設するというふうにしようと思います。ということで、pictSPACEのショップを公開いたしました。BOOTHと同様、匿名配送です。

2022/9/11 気力的な問題でスプラトゥーン3一秒もできなかった。本を箱詰めする。

2022/9/12 個人書店の選書に端を発して8月以降、日本語Twitterのトランスジェンダー差別をめぐる言説状況が悪化している。これまでさほど関心を示してこなかった人々が続々「参入」しているのだ。〈セオリー〉VSアンチ〈セオリー〉という北米的対立軸が日本にも持ち込まれて久しいが、その(主に後者の)ポジション取りのために、現に暮らしている人々を置き去りにしてトランスジェンダー問題が利用されている。そんな知的政治に利用されてよいようなトピックでは断じてないのに。

クラウドファンディングのリターンとして星期一回収日(作画)、楊双子(原作)、黒木夏兒(訳)『綺譚花物語』(サウザンブックス〈サウザンコミックス〉、2022年)が届いた!

歯科でクリーニング。

2022/9/13 Ann Blair/ Paul Duguid/ Anja-Silvia Goeing/ Anthony Grafton (eds.) Information: A Historical Companion. Princeton: Princeton University Press, 2021よさげ。大学の講読の授業で使われてたのもオンラインシラバスで確認でき、注文した。

今年に入ってからよく実家の夢を見るようになった。おそらくいまの部屋の寝床の周囲にある照明の配置などが、実家に似ていたのだと思う。家族構成はつねに高校生のときのものである。家族の気配がする夢が、覚めれば毎回独居ワンルームなので喪失感がある。明晰夢となって今見ているのが夢だとわかってすら、なおも「しかし夢は部分的に真実なはずだ」(例:「祖母の人格のAI自体はあるはずだ」)と信じている。いま見ている夢が現実でないと知っているのにまだ別の幻想が残っているという、私はこの状態が好きだ。それも全部剥ぎ取られたあとに残る寂しさは格別である。普段一人暮らしをしていても感じない寂しさという感情が賦活されるのだ。

2022/9/14 TRPGシナリオ・もすい。『ピース・メイカー』(こり☆かん(自主制作)、2017年)のセッションにPLとして参加。ありがとうございました!

2022/9/15 昨日のセッションの続き、最後まで。ありがとうございました!

2022/9/16 朝、レイシズム的な流言蜚語が広まる。通勤列車が止まった程度の混乱でもこんなことが起きるなら、何が起きても不思議ではない。今月に入ってからのトレンドは本当にひどい。

『文体の舵を取れ』合評会第2期第7回。ありがとうございました!途中は体調不良で休み、最期の自分の応答しか発言できなかった。

2022/9/17 円城塔氏がTwitterなどで常々書いていらっしゃった校正プロセスの話題。内容(本文)と表現(組版)のシステム的・業務プロセス的分離は前提として、内容の話。校正は「どの箇所が」「何の理由で」変更されたかを追跡可能にする必要があるが、「どの箇所が」と「何の理由で」もまたプロセス的に分離する必要があるのではないか。ソフトウェアのチケット駆動開発では、後者が「チケット」概念にあたる。GitHubでいえばissueである。校正者や編集者が「どういう理由で変更を提案するか」を示すissueを発行し、issue上で著者とコミュニケーションを行って変更箇所を特定し、それに対応するpull requestを(複数であってもよい)紐づけて提出する、というプロセスはどうだろうか。

なお私の趣味の校正は、組版済みのPDFファイルをもとにコメントをスプレッドシートにまとめるというプロセスであり、上述の分離はどちらもされていない(なんやそれっ↑の訳知り感はなんだったの?)。紙の上に赤を入れるのと大差ない。これまで扱ってきたのが個人サークル・単著、つまり編集者=著者の同人誌のみだったので問題なかった。著者の方が本文も組版データも一人で管理していらっしゃる場合はそれがいちばん早い。でも複数名の共著であったりするとうまくいかないのだと思う。

2022/9/18 インターネットの有線接続環境を整え、ようやくまともにスプラトゥーン3できるようになった。TPSって初めてだ。13時くらいから始めて、日付変わる頃にランク10達成。明日はバンカラマッチをやります。ここまでブキはほぼN-ZAP85一筋でしたが今後はプライムシューターにも習熟したい。

2022/9/19 スプラトゥーン3。

2022/9/20 スプラトゥーン3はたのしいゲームだね?

2022/9/21 スプラトゥーン3。ランクは20に。バンカラマッチはまったく歯が立たないのでナワバリバトルばかりやってます。使用ブキはN-ZAP85/プライムシューター/.52ガロン/.96ガロン、特にガロンたちなら時折10倒しができるようになってきました。二つ名は「最後のクラゲ」、misora100です。楽しそうにやってます。

アクションゲームとか音楽ゲームとかをいくつかやり込んできた経験から思うことだが、ゲームの熟達はおのれの実力の把握、課題の特定と克服、高頻度の達成度評価、といったことの高速サイクルで進んでいき、熟達すること一般のモデルとなる。現実の事柄はとても複雑だが、そこからゲームのように操作可能な部分を抽出して訓練する必要がある。実力や課題の把握が難しかったり、達成度評価を自分で用意しなければならなかったりするのだが、そこまで含めて学習なのではないか。

役所で用を済ませる。

2022/9/22 スプラトゥーン3。ナワバリバトルではいい結果が出ました。.96ガロンで一人WIPEOUT!!!2回、「塗り1000p以上かつ10倒し以上」を2回、直近戦績は31勝15敗、チョーシサイコー!!(17.0)獲得。それでバンカラマッチをC-から開始。ガチエリア、ガチアサリ、ガチホコバトル、ガチヤグラすべてのルール把握しましたしガチアサリ以外では少しだけ勝利に貢献できたかも。しかし基本的には足手まといです。C+の昇格戦手前まで来て今日は終了。

2022/9/23 スプラトゥーン3。昇格戦は甘くなかった! おのれの弱さを実感する。昼からガチアサリ→ガチヤグラ→ガチアサリ→ガチホコバトル→ガチエリアと挑戦し続けて合計8回目でようやくC+→B-の昇格を果たす。まぐれとしか言いようがない。ブキはずっと.96ガロン。約8時間かかった。さすがに疲れました。

2022/9/24 スプラトゥーン3はフェスが開幕。プライムシューター一本で「えいえんの道具派」になりました。始めて7日間で約50時間プレイしたことに。今後はいちいち書きません。

斎藤けん『天堂家物語』10~11巻、白泉社〈花とゆめコミックス〉、2021~2022年を読了。

夕方から明日のTRPGセッションのリハーサル。ちょっとブランクがあり心配。明日起きたらまたリハーサルだ。

2022/9/25 『ループ橋で何かが自分を待っているんです。』第3セッションをKPとして実施。ありがとうございました! 本をいろいろ購入。

  • 鷲見洋一『翻訳仏文法』上・下、筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2003年。増刷ほんとに嬉しい。勉強いたします。
  • ローレンス・ヴェヌティ、秋草俊一郎/柳田麻里(訳)『翻訳のスキャンダル:差異の倫理にむけて』フィルムアート社、2022年(原著1998年)。
  • ロバート・マッキー、越前敏弥(訳)『キャラクター:登場人物の本質と創作の技法』フィルムアート社、2022年(原著2021年)。
  • 高橋幸平/久保昭博/日高佳紀(編)『小説のフィクショナリティ:理論で読み直す日本の文学』ひつじ書房、2022年。編者3名による「読書案内 — — フィクション論 主要文献」が嬉しい。
  • ポール・B・プレシアド、藤本一勇(訳)『カウンターセックス宣言』法政大学出版局〈叢書・ウニベルシタス〉、2022年(原著2018年)。
  • ウィリアム・フォークナー、マルカム・カウリー(編)、池澤夏樹/小野正嗣/桐山大介/柴田元幸(訳)『ポータブル・フォークナー』河出書房新社、2022年(原著初版1946年)。こっ高価だ……。とはいえ800ページ超だし妥当なのかも? 勉強いたします。
  • ヤン・ポトツキ、畑浩一郎(訳)『サラゴサ手稿』上、岩波書店〈岩波文庫〉、2022年。全3巻の1巻目。本文批判上の問題は続刊の解説で詳述されるのだと思うが(さしあたり訳者の論文を参照)、複数バージョンがあってそのうち1810年版を底本としているとのこと。かつて〈世界幻想文学大系〉(国書刊行会)の部分訳(工藤幸雄訳、1980年)を読みました。が、その底本となったロジェ・カイヨワ編集版によって定着した「幻想文学」というイメージがそもそも偏っているので今回の翻訳でそこが正されるということらしいです。

それからRobert Burton, Angus Gowland (ed.), The Anatomy of Melancholy. London: Penguin Classics, 2021(原著初版1621年)が届いた。初版以来、死後刊行の第6版(1651年)までバートンが終生手を入れ続けた『憂鬱(メランコリー)の解剖(解剖学)』だが、初版~第6版を混成して読者・研究者に定評を得てきたClarendon版(1989~2000年)とは異なり、第6版をベースとした新しい校訂版とのこと(p. xxxvii)。初期近代英語だよ~。ペーパーバック版(2022年)が出るのを待っていたのだが、冷静に考えて1300ページ超のペーパーバックって壊れるのでは? と思ったので結局ハードカバーにした。『京都府立大学学術報告. 人文・社会』(2007~2008年)、『京都府立大学学術報告. 人文』(2009年~)という紀要で岡村眞紀子氏を中心にこつこつ日本語訳が行われており畏敬の念を抱きます。

2022/9/26 今日からはDisco Elysium、基本英語(キー操作で日本語に切り替え可)でやります。英語の勉強になる~。辞書引きまくりやで。5万項目級の学習英和辞典には入らないが10万項目級には入る語、つまり単語数でいえばおおむね2.5万~5万語のレベルの語彙がすごい高頻度で出てくる。第一言語話者でも教養ある成人が知っているレベルということであり、ピンチョンに喩えた方がいらっしゃったが同意できる。やはり英語の小説を思うさま読んでいきたいなら成人なりたての第一言語話者に相当する、2.5万語の受容語彙 passive vocabulary は「ベースライン」として繰り返し定着させ続ける必要があるのだろう。ティーンエイジャーの頃、背伸びして難しい本を読もうとトライしては跳ね返されたり食らいついたりしていたではないか。あれを今度は英語でやる、その素地となるための受容語彙が2.5万語とかなのだと私は思う。

今年に入って、視覚・聴覚・触覚がほぼ完全に揃い、見ている間は現実と区別できないような実家の夢をたびたび見る。ものの視覚的細部、触り心地、細かい会話など普段の生活で自分が見過ごしていると思っているところまで充実しているし、他人の言動は予想がつかないディテールを備えている(と見ている自分の主観からは思える)。起きている私からは逆立ちしても出てこないような豊かな情報が、眠っているおのれの脳から出てきているというのはとても面白いことである。創作に活用できればいいのにね。ときには「これが現実か夢なのか区別できない」と夢の中で切々と家族に訴えるが、無駄に終わる。さっき見た夢では、きょうだいと一緒に家を出て近所を歩いてみた。家から離れるにつれどんどん情報が粗くなって幻想味が増し、ああ夢なのだなあと実感することができた。こういう対処法もあるわけだ。

2022/9/27 近場の教科書取次店で、高校教科「歴史総合」検定教科書である岸本美緒/鈴木淳(編)『歴史総合:近代から現代へ』と、久保文明/中村尚史(編)『現代の歴史総合:みる・読みとく・考える』(いずれも山川出版社、2022年)を取り寄せる。大学進学以降も歴史学習は3年くらいごとに山川出版社の教科書+参考書を買い替えて繰り返している。文学や思想に関心があれども歴史にまったく無知、ってわりとヤバいパターンだと思ってやってるんですけれども。グローバルな通史って大学以上ではあまりやらないので、通史「だけ」で言えばマックスは高校世界史教科書であり(〈岩波講座〉のようなあまりに長大なものは除くが、2021年刊行開始のシリーズは読みたい)、大人になってもそこに繰り返し戻って来ればよい。高校生のときは何書いてあるのか全然わからなかった歴史教科書だが、長じて世間知も多少できつつ何回も知識を塗り重ねているうちにわかるようになってきた。諦めないことが大事だ。「歴史総合」にはグローバル・ヒストリーの視点を感じるがそれ以外も、歴史科目再編で教科書がどういうふうになっていくのか楽しみですね。歴史科目だけじゃなくて、2020年代の中高生って私らのときよりレベル高いことやってる気がするので(特に英語な)、新課程の教科書・参考書の評価が固まってきたあたりで一回イマドキの中高生の常識って何よ、というのを総ざらいしたほうがいいのかもしれぬ。

ここ数日咳が再発しており、明日休暇をとって通院することにした。感染爆発状態で、咳が出ていると診てもらえない詰み状態を打開してくれたあの呼吸器内科である。マジで近所にあってよかったぜ。今後も喘息持ちにはつらい世の中が続いていくのだろうか。

2022/9/28 Disco Elysium。ダイスに成功しがちだった。

『文舵』の課題をしていたのだが、やはり私は空間のなかのアクションを書くのが苦手すぎる。常々思っていたことではあるが。で、ふらっと大型書店に出かけてずっと欲しかったダニエル・アリホン、岩本憲児/出口丈人(訳)『映画の文法:実作品にみる撮影と編集の技法』紀伊國屋書店、1980年(原著1976年)を購入。なんか打開策にならんかな……。こんな衝動性で本を買ってたら大変なことになる。

2022/9/29 noshとBASE BREADとカロリーメイトで食生活がだいたい完結するようになった。現代~。こういうの続けるにはおいしすぎないことが大事です。

2022/9/30 プーチン・ロシア大統領、ウクライナ4州の併合を宣言。ゼレンスキー・ウクライナ大統領、NATO加盟を正式に申請。

『文体の舵を取れ』合評会第2期第8回。ありがとうございました! 第1期で挫折した課題を解くことができ地力のアップを感じます。

『プロセカ』サービス開始2周年。魔法は解けてしまったが、あと3年は付き合う。コンテンツとの付き合いは、幻想と幻滅のサイクルを経てからが「第二部」だと思っている。必ず一度は経るべき、しかし終わる魔法の時間と同じくらいの重要性が、引き続くつらい吟味の作業にはある。■

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misora100

Full-time yuri aficionado & language enthusiast(でありたい). 1992, he/him. JP/EN. https://misora100.github.io/